皆様に種子を販売する前に、拙園では発芽試験を行っています。その結果を販売時の資料に載せるようにしていますが、2022年産は例年の3月中旬より早く2月下旬から試験を行いました。
播種時期や調査期間を除いて、試験方法は例年と同じです。今年は実施状況の詳細な写真を撮っていないので、昨年撮った写真を試験のやり方として紹介させていただきます。
小型のポリ容器を用いて、各10粒の種子、計40粒を播種します。容器の側面には十分な遮光をするため、黒のビニールテープを貼ってあります。
同じ用土で覆土しました。これで種子の深さは2.5~3.0㎝となります。
容器を移動させ、ヒートマット(温熱マット)の上に置きます。
ビニールを被せて設置完了です。
ヒートマット上の容器内の地温が28~29.5℃となるよう、温度コントローラーで制御します。
発芽試験に使っているのは、サンルームに置いてある小型ビニール温室です。下段には栄養繁殖させている野生種のポット株も同居しています。また、一番下には、ヒートマットとは別に加温用のパネルヒーター(20℃設定)も設置しています。
播種後6日を過ぎると出芽し始めます。これは8日目の状況です。
堀上げ値洗いして並べ写真を撮ります。発根率は良好です。しかし発芽していないものが多いので、もう少し調査を遅らせたほうが良いですね。ただ、子葉を押し開いて主茎や子葉節分枝の生育状況を確認したところ、正常なものが多かったので、それらを今後発芽や出芽見込みと判定しました。
子葉が開き、主茎(中心枝)と子葉節分枝(脇芽2本)も正常なもの。正常な出芽株となります。
子葉の展開は不十分ですが、主茎と子葉節分枝は正常に育っています。発芽試験では発芽株、圃場では間もなく地上部に出て出芽株と判定される株になります。
これは本年度の発芽試験での状況です。販売予定の2022産種子を用いています。去年より13日早く2月27日に試験を開始し、試験期間は11日と去年より3日長くしました。発根個体は昨年並み、発芽や出芽個体は去年より多くなっています。比較すると本年のやり方の方が、より良い結果が得られるようです。来年以降は本年の方法で実施しようかなというのが今回のまとめとなりました。